徒然なる日々

るくりあが小説を載せたり舞台の感想を書いたりするもの。小説は文織詩生様【http://celestial-923.hatenablog.com/about】の創作をお借りしています。

常世の花

彼は誰に常世の花を抱く

―彼女は泣いた。言葉なんて要らないから、そばに居てくれ、と彼の骸を抱いて泣いていた。それがとても悲しく、そして羨ましくもあった。私には、私とともに歩み続けてくれる人はいないから。 * 彼女と出会い、彼の最期を見届けた時は彼女と行動を共にし、寿…

現に常世の花が散る

―貴方が幸せだったかどうか、私には分からない。けれど、最期の貴方は満足そうだったから、きっと幸せだったのだと、私はそう思いたい。 * 今、思い出してみると、彼女は幼い頃から人とは違う雰囲気を纏っていたように思う。意志の強そうな瞳は黎明色に輝い…